た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

株で大損をするのはどんなパターンか?②/割高株を買う


こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。

僕は、株で大損をするパターンには、以下の3つがあると考えています。

・大きなレバレッジをかける

・割高な株への投資

・相場の過熱時に株を買う

前回は、そのうちのレバレッジを大きくかけた投資のことを書きました。

investsnowball.hatenablog.com

 

とはいっても、投資で信用取引までしているのは、よほどの強メンタルの人だけです。投資家全員がレバレッジをかけているわけではありません。

一方で、銘柄選択は個別株投資を行う以上は誰もが通る道です。この銘柄選択では、発想を誤ると大きな損失につながってしまします。

 

今回は、割高な株を買うことのリスクについて書いていきます。

 

割高株とは

割高な株とは、会社の本来価値を大幅に超えた価格の株のことです。

「そんな株を誰が買うの?」と思われるかもしれませんが、株式価値を自分で計算しない限り、以外に手を出してしまいやすい類のものなんです。

なぜなら割高株は、「人気株」だったり「成長期待株」だったりする場合が多いからです。流行りものと一緒です。なんか理由はわからないけど、とにかく流行っている。みんなが群がっている。自分も流行りに乗ってみたい!

こういう発想に陥っているときは、内容を調べずに買ってしまう可能性が十分にあります。

 

割高株の下落のイメージ

どういうことかのイメージです。

EPS(1株利益)100円の株がPER1,000倍まで買われているとします。配当金は配当性向50%として1株当たり年50円とします。

1株の市場での売買価格は、EPS×PERで100,000円となります。購入価格分をペイするには、1株利益100円から見て1,000年、配当金50円から見て2,000年かかります。定期預金より利回りが悪いですね。普通なら投資対象として買うようなものではありません。通常の株式市場であれば、市場平均のインデックスへ投資をしても、10年程で購入価格をペイできますからね。

 

ところが、市場ではこのような割高株が売買されているケースがあります。

PER1,000倍は極端な例ですが、米国企業で電気自動車製造などの事業を行うテスラは一時期PERが1,000倍を超えていました。そして、今も大人気の株です。実在しうる例なんです。

 

このようなPERがつくのは、将来性を見込まれてのことです。EPSの増加率が年20%なら、約13年でEPSが10倍になります。大体25~26年後にはEPSが100倍になります。

例のケースに当てはめると、25~26年後にEPSが10,000円に到達しています。その時点では100,000円の株価でもPER10倍となり、割高にはならない。さらに成長が続くなら、さらに10年後の未来のEPSは100,000円になっていてもおかしくない。だから現在の1株100,000円でも割安になる、という考えが可能なわけです。

一応、成長率という変数を超高めに設定してDCF法で計算すると、割り戻した現在価値がとんでもない割高になるケースがあります。

 

ただし、途中でこの会社の成長率が止まると見込まれたらどうでしょうか。

将来的なEPSはせいぜい1,000円、配当金は配当性向50%の500円、このくらいになると市場で評価が見直されたとしましょう。この仮定では、現在株価100,000円に対して、将来のEPS1,000円ですら、PER100倍、配当金500円は利回り0.5%です。こんな割高株だれも欲しくありません。

 

ですので、将来予想値の下方修正とともに株価が大幅に下落していきます。EPS1,000円×PER10倍が妥当と見なされれば、株価は10,000円の水準に向かって下落していきます。その下落率は90%となります。

この株に1億円を投資している投資家がいれば、90%の下落で9,000万円の損失を被ります。挽回不可能といっていいでしょう。

このような会社に集中投資し、さらにはレバレッジまでかけていると、全投資資金を失う危険があります。

 

「そんな極端な例があるわけないだろう」と思われるかもしれませんが。しかし、2000年頃のITバブルのときはこんな感じで株価が暴落した銘柄が多数あったのですよ。

将来の成長性とか期待とかいう、まだ実現していない利益まで株価に反映されていたことが原因です。一度も利益が黒字になったことがないのに、数千億円の時価総額がついた会社とかもありますからね。

現実の利益レベルを改めて目の当たりにしたときに、IT関連株という砂上の楼閣は崩壊しました。90%くらい下がった株はゴロゴロあったんです。平均株価であるNASDAQですらピーク時から70%以上も下落しています。個別では99%下落したような株まであります。

これは、「株の損失って怖いね」という短絡的な話ではありません。

今後も、成長性などの期待の元に割高株が形成され、それを買い求めてしまう市場心理や人間心理というものが存在しているということです。

その怖さを知っておいてもらえればいいのかなと思います。

 

まとめ

・会社の本来価値よりはるかに割高な株が存在する。

・ITバブルの崩壊のように、割高株が暴落すると90%近い株価下落がありうる。

・市場や人間は心理で動く面がある。今後も割高株はなくならない。

 

割高株は、短期的には凄まじい勢いで上昇し、儲けのチャンスに見えてしまします。実際、そのような株で大きな資産を築く方もいるでしょう。しかし、売りそびれた場合の末路は悲惨です。

高い株を買って、もっと高い値段で人に売りつけるのは、タイミングが全てです。簡単なことではありません。

株の本来価値から大きくかけ離れた割高な株には手を出さないほうが賢明です。

 

以上、た~とるでした。