た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

四季報通読から銘柄選択までの手順③

こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。

前回に引き続き、四季報通読時の僕の場合の参照ポイントを書いていきます。

今回は「収益」についてです。

1株利益は投資の最重要ポイント

僕が四季報で財務と同様に最重要ポイントとして見ているのは収益です。収益と言っても、売上高や営業利益など、語義的には複数の意味が含まれるでしょうが、僕は1株利益を基本に考えています。

 

極論を言うと、株価は1株利益に依存します。

1株利益100円で1株1,000,000円の値段はつきません。これでは投資利益を回収するのに1万年かかります。銀行預金の方が利回りがいいです。この株価が成立するには1株利益の成長率がとんでもなく高くないとダメです。

逆に、1株利益100円で1株150円の値段もつきません。これは1年半で元がとれますので、こんな安値になる前に市場で「買い」が入ります。例えばの話ですが、1株400円とかで底値を形成してしまいますので、1株150円まで下がるのを待つと、投資機会が永久に来ない可能性が高いです。

 

1株利益100円なら、ものすごくざっくり言うと、株価は1株1,000円くらいであれば、比較的安全な水準と言えると思います。これは期待利回り10%と同義です。PER10倍とも同義です。成長性のある企業であれば、PERを20倍に設定してもいいですし、無成長や景気敏感株ならPER8倍くらいで考えてもいいです。

これを明らかに下回る株価がついていれば、ざっくりですが、その株は割安と考えていいでしょう。もちろん景気の状況や銘柄にもよります。

 

僕の場合は、四季報チェックの段階では、「1株利益×10倍」>「株価」であることをざっくりと基準にしています。そのあとに過去データを見て再チェックします。

 

この1株利益ですが、基本的には単年だけ見ても失敗の元ですので、複数年を確認します。1株利益は、特別利益や特別損失で大きく変わりますし、そのときの景気や為替や商品価格なんかにも大きく影響されます。特需で特定の業界全体が潤ったりすることもあります。

しかし四季報では、過去3~4年ほどの利益と、翌年度~翌々年度の予想値など、合わせて5~6年分のデータしかありません。

ですので、四季報は参考程度にとどめて、さらに過去の1株利益のデータを見に行きます。(調べるのはバフェットコードというサイトが楽です。)

 

ちなみにですが、シラーPERという指標があります。景気循環の影響を均すため、過去10年間の1株あたり純利益の平均値をインフレ率で調整した純利益でPER(株価収益率)を計算するものです。

僕の場合は、基本的にこのシラーPERと同じ発想を採用しています。過去10年の1株利益を平均して、1株利益の基準値として考えています。バフェットの師匠、ベンジャミン・グレアムも、過去10年程度の利益を見るよう書籍で記しています。

これにプラスして、直近の利益の動向や翌年度の四季報予想値を加味していきます。

10年かけて安定して1株利益が伸びていれば、安定性の高い事業と判断できますので、直近5年ほどの1株利益平均を採用することもあります。

業績が年度ごとにばらつきが大きいときは、10年平均の1株利益をそのまま採用したりします。

 

シクリカル銘柄の場合は特に過去のデータが重要です。景気によって1株利益の数字が大きく変わってきます。そして、日本株はシクリカル銘柄が多いです。

調査時が景気のピークだったすると、その1株利益はあまりあてにはできません。いずれ景気が冷めたときには1株利益が下がります。

 

四季報だけではシラーPER(または過去10年分の1株利益)は分かりませんので、付箋を貼った候補銘柄の詳細は、後でまとめて調べるようにしています。

また、シラーPERを算出するにしても、日本株の投資の場合、インフレ率は無視していいと思います。日本のインフレ率はバブル崩壊以降30年くらい、多少の波はありますが、おおよそ0%近辺を推移しています。現在は物価高や他国のインフレ懸念がありますが、日本でいきなり年5%のようなインフレが始まることは考えにくいです。

もし日本で急なインフレがあったら、そのときはそのときで、投資判断を変えていけばいいと思います。

 

次回は、成長性を気にしない理由について書きます。

以上、た~とるでした。