た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

四季報通読から銘柄選択までの手順④/成長性を気にしない

サラリーマン投資家のた~とるです。

皆さんは投資をするときに「成長性」って計算にいれていますか?

僕は成長性をあまり気にしていません。

 

先週くらいから、四季報を読みすすめながら考えを整理しているのですが、やはり何度考えても成長性を投資基準に組み込むことに難しさを感じてしまいます。

 

四季報を読んでいると、特に情報・通信セクターや医薬品セクターに多いんですが、「将来成長しそうな」「有望そうな」企業がたくさんあります。「~しそう」という曖昧な感覚にならざるを得ないのは、僕には将来が読めないからです。

キーワードでいうとAIとか、DXとか、バイオテクノロジーとか。

これらのワードが含まれているだけで、時価総額数百億円とか、PBR10倍超とか、僕のバリュー投資の感覚では理解に苦しむ株価がついていることがあります。PERじゃありませんよ、PBRで10倍です。

確かに将来有望だとは思いますが、それに見合った利益が出ていません。赤字だったり利益剰余金がマイナスになっている企業もたくさんあります。

 

こういう株に投資して、投資家はいつ報われるんだろうかと疑問に思ってしまいます。赤字なので、当然、無配です。成長のために利益を事業の再投資に回すとかそういう問題じゃありません。配当に回せる利益がないんです。

中には売り上げが急拡大したり、利益率が急改善して、それが何年も続くうちに真の大企業に発展していく会社もあるでしょう。しかし現時点ではただの赤字企業にしか見えません。

 

最も不思議なことは、数年来の赤字決算で似たような業績で推移している企業だというのに、株価だけは数倍に上がったり、数分の一に下がったり、乱高下を繰り返しているんですね。んー、市場が効率的とはどういうことなんだろうか。

 

成長株セクターはどうやら僕には理解ができないようです。近しい考えで、成長性という概念もいまいち理解しづらいです。これは株を始めたときからの一貫した感覚です。成長株で儲けている人は見えている世界が違うようです。

 

成長性が高いならPERが高くても株価が高くても投資家は報われる可能性がありますし、成長性がずっとマイナスなら遠い将来その企業の価値は0になります。

しかし成長性の見通しを立てるのはとても難しいです。せめて2~3年先ならまだしも、10年や20年先となると神のみぞ知る世界でしょう。現に、NYダウやS&P500に採用されるようなグローバル企業ですら、20年前もすると顔ぶれが大きく変わると予想されます。

 

1株利益の上昇は四季報や過去のデータを見たら分かります。しかし、その1株利益の上昇の源泉がなんだったのかは非常に分かりにくいです。経済全体が好景気だったのか、セクター全体が恩恵を受けた背景があるのか、政府の政策に合致して特需があったのか、一過性のヒット商品があったのか。1株利益の上昇がこの辺の理由だけなのであれば、会社としての成長とは似て非なるものとも考えられます。

 

ですので、僕が投資の初心から心がけていることは、利回りと保有資産を起業価値算出のベースにすることです。

僕が四季報を見る際は、1株利益をベースにその企業に投資した場合の「利回り」を想定していきます。成長ではなく、あくまで利回りです。

四季報を見ながら行うのは、今後2~3年の1株利益水準の目星をつけることです。10年先とかは予想しません。僕がやってもたぶん当たりませんし、そこまで長期保有するならビジネスモデルや事業の将来や経営者の質など、定性分析が必要になります。

僕のような弱小投資家では経営者と直接やりとりはできません。また、サラリーマン社長や役員であれば2~3年で次の人に交代もあります。そのたびにヒアリングとかができるのはよほど影響力のある投資家(機関とか)だけでしょう。

僕が行うとすると定性分析は質の低い妄想で終わる可能性が高いと思っています。成長性という概念にはどうしても希望的観測が含まれてしまいます。

ですので、成長性は見ないことにしています。

 

以上、た~とるでした。