心配してしまった投機の会話
こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。
先日、街でたまたまこんな会話を耳にし、通りすがりながら心配になってしまいました。
A「口座開こうよ、口座」
B「いいっすねー」
A「儲かるよ」
B「僕もやってみようかなー」
A「上がるか下がるか全然分からないけど、勘が良ければ稼げるよ」
B「そうっすかー」
僕が耳にしたのは会話の切れ端でしたが、どうやら知人同士でFXの話をしていたようです。
FXが良いとか悪いとか、そういう問題ではありません。
資金を投じるための分析や調査という概念がないまま会話が進んでいることを危惧してしまいました。要はFX市場を舞台にしただけのギャンブルに身銭を投じようとされていたんです。投資ではなくて、投機ですね。
おそらく、全国各地で似たような会話が繰り広げられていることだと思います。なんなら洋の東西や時代を問わず、同じような会話が繰り返されてきたのではないでしょうか。
「FX」を「株」に置き換えても、同じような「投機について」の会話になることは容易に想像ができます。
この話、要約すると下記の点が問題です。
・何をしているのか、よく分かっていない
・「勘(もしくは運)」がよければ儲かる
つまり、元本の安全性を保つための分析や、利回りなどの数字上の根拠があって投資をしているわけではありません。勘や運に頼る状態です。これではギャンブルと同じです。
これは、世の中の大勢である「投資をしていない人」や「投資に嫌悪感を持っている人」の投資感と近しいもののように思えます。
一方、投資で大事なことは下記の点ではないでしょうか。
・利回りを得られるか(投資をプラスサムゲームにできるか)
・財務が安全なのか、投資対象の安全性は十分あるのか
・投資先は「価格」より大きな「価値」を有しているのか
・価値は価格より大幅に大きいか(安全域の確保)
「株」で理解しがたい場合は、「住宅」「車」などに置き換えて考えれば理解しやすくなります。
例えば、投資用の不動産をローンで買って、運用利回りが0.1%なら危険なことは分かると思います。利回りが低すぎます。入居率が下がれば赤字です。ローンも、返せる見込がないと破産の危険すらあります。
株でも同じです。1年分の純利益が10億円で、時価が1,000億円の企業に投資することは危険です。収益に対して価格が高すぎです。利回りが低すぎます。そういう株を信用取引してると危険です。
新品の車を、10万円で譲り受けられれば価値より価格が割安なことは分かります。本来なら200万円とかするわけです。10万円で入手できたこの車は、自分で乗ってもいいですし、買い取りに出せば100万円になるでしょう。
株でも同じです。純資産が1,000億円あるのに時価が300億なら割安です。
たまにあるんですが、企業が保有している資産のうち、有価証券(上場他社の株など)の時価総額だけで、自社の時価総額を超えているような企業すらあります。理論上はどう考えても割安なんですね。
とにもかくにも、投資をするには何故投資するかの根拠(特に数字面での)を欠かさないようにすることが大事。根拠は人それぞれの価値観で変わる部分もありますし、自分なりの評価軸を持っていれば投資スタイルはなんでもいいと思います。
危険なのは「なんかわかんないけど、儲かりそうな株を買いました」という状況です。なんかわかんない時点でギャンブルです。何で儲かるか人に説明できる株を買いましょう。
以上、た~とるでした。