た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

複利は素晴らしいけど、リターンを享受するには人生は短すぎる②/キラキラしない人生でもいいんじゃないか

こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。

前回は複利の罠の側面を書きました。

investsnowball.hatenablog.com

続きです。

前回は以下のシュミレーションをしてみました。

・社会人1年目の22歳で株式投資を開始。

・毎年100万円分を貯金し、年度末に証券口座へまとめて入金。

・証券口座に入金されたお金はインデックス投資などで年5%で複利運用する。

・60歳で退職し毎年100万円の積立は終了。5%の複利運用は100歳まで続ける。

 

運用結果は、100歳時点で資産7.6億円、60歳時点では1億700万円。

複利には即効性はありません。数十年かけてようやく大きな効果を得られます。そのリターンは投資人生の後半に集中します。

 

資産運用の開始時期という問題もあります。

この例では22歳から投資を始めていますが、現実には社会人1年生で投資を始めるのは難しいです。仕事を覚えたり、新しい生活に適応するための努力で手一杯のはず。

通常はお金に対する不安が漠然とでてきてから、資産運用という発想に思い至っていくのではないでしょうか。

そうなると投資開始時期は遅れます。

 

仮に、シュミレーションの投資開始年齢を35歳とすると、60歳時点では積立総額2,500万円に対し資産約4,800万円となります。

このときインデックスに50%の暴落があったなら、資産は半減し2,400万円となり、なんと元本割れになってしまいます。

25年も積立投資を継続したのに元本割れになるなんて救いの無い話です。

 

ということで、年5%で複利運用できても、定年くらいの時期に思ったほどの資産にならない可能性があります。

35歳から投資を始めたこのケースでも、100歳まで複利運用を続ければ資産4億円に到達します。投資で大きなリターンを得るには、市場に残り続けて複利運用を続けていかないといけません。

 

複利は万能ではなく、健康でいられるうちに贅沢三昧できるほどの資産を築くには時間が足りません。

 

そのため、資産形成と人生設計には、消費に対する考え方がとても大事になると僕は常々考えています。

まずは自分や家族が分相応に満足できる生活レベルや、関心のあること、大事にしたいこと、やりたいことを見極める。それにはどれくらいの金銭が必要なのかを計算して、状況によっては物事の取捨選択をする決断も必要かと思います。

 

現代の消費社会では、消費欲を唆すイメージ戦略があふれかえっています。

さらには、SNSでも現実社会でも、高価なモノにいくら費やしたかのマウント合戦があります。付き合っているといくらお金があっても足りません。それに見栄の競争や嫉妬には際限がありません。

仮に5億円レベルの資産を築けたとしても、使い切ることは簡単です。高額の住宅を買うだけで使い切れます。

そうすれば大きな家でたくさんのモノに囲まれて暮らせるでしょう。人が羨むSNS映え用の写真も撮りやすいと思います。しかし、人生で大切なことってそんなものなんだろうかと思ってしまいます。

毎日の掃除が大変なのでは…

掃除に使う時間もったいなくないか…

そのうち10億の家が欲しくなるだけなのでは…

そんなしょうもないことすら考えてしまいます。

 

そのライフスタイルのために、複利の力を借りて数十年投資を続けるのか。

もし達成できたとしてその頃に健康でいられるのか?

認知症になっていたら?

寝たきりになっていたら?

何が目的なのか分からなくなってきます。

 

幸福は自分の感性の中に内在するもので、世間体や見栄から得られるものではないと僕は思っています。

映えやキラキラって世間向けのアピールであって、本来は自分の軸を持って生きている方が楽しいはず。

資産形成で大事なのは自分自身の価値観の見極めであり、世間に流されて行う浪費を排除することだと思います。

僕はそのような思考ですが、世間的には欲が無く経済に貢献しない人間とみられるかもしれませんね。

それでもいいやと思えるような、キラキラしなくて十分満足できる人生を目指してみようと目論んでいます。

 

以上、た~とるでした。