投資歴14年の筆者の投資失敗談5選/新興国通貨建て債券
こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。
僕は現在投資歴14年目になります。投資歴通算では幸いにして結果が出ています。
しかし、失敗もたくさん経験しています。
今思うと、なんでこんな投資をしたんだろうというものも…
反省と自戒をこめて、記憶が風化しないうちに備忘録として失敗談を書いておこうと思います。
全5回シリーズです。
新興国通貨建て債券
第1回目は、新興国通貨建て債券です。
取引残高報告書の内容から思い出して書いています。誤り等あればご容赦を。
購入したのは2013年~2014年、複数回に分けて買い付けを行いました。
投資対象のスペックはおおよそ以下のようになっていたと記憶しています。
・ブラジルレアル建て債券
・発行元 デンマーク地方金融公庫
・格付け S&P:AAA Moody's:Aaa(発行元に対する格付けです)
・利回り9%~10%(買い付け時によって異なる)
文字通り、ブラジルレアル建ての債券です。
額面の利回りが10%近く、何をしてもほっときゃ儲かるだろうという目論見で購入しました。
デンマーク地方金融公庫とかいうのもポイント高いです。信用度の高そうな機関でしょ。
購入総額は40,000レアル分くらい。
当時のレアル円のレートでは、円換算で180万円分くらいの価値になります。
利回り10%もあるから大丈夫だよな。
確実に儲かるよな。
そんなことを考えていましたが、為替は残酷でした。
2013年末 1レアル≒45円
2018年末 1レアル≒29円
レアルの対円為替が3割以上も下落。為替の影響で評価額が大きく下がりました。
配当もなんだかんだ税引き後では年8%弱といったところ。
5年間保有し続け、配当を充当してギリギリプラスになるかどうかという状態で償還を迎えました。
この間、日経平均は25%ほど上昇しています。
ということで、この投資は日経平均インデックスに大きく負けました。
さらに、インデックスファンドにも配当がありますから、実際にはもっと差がついています。
単に表面利回りだけに惹かれた結果が、保有期間を通じて機会損失になったわけです。
そもそも、中身が分からず買った証券の典型で、それが失敗の一番大きな原因。
「債券」というだけで中身が分かりませんし、国債なのか、地方債なのか、企業の社債なのか、その辺も不明のままでした。考えもしませんでしたね。
【反省点1】
利回りだけに惹かれて中身の分からない証券を購入してしまった。新興国為替の変動を想定できていなかった。
【反省点2】
信用度の高そうな発行元を目にしたことで投資判断が甘くなった。
発行元のデンマーク地方金融公庫はトリプルAの格付けをされているようです。
一見安心感があるため、これも足元をすくわれた原因の一つかもしれません。
この格付けという代物、じつは結構怖いんですよ。
2007年頃からのサブプライムローン~リーマンショックの経過を調べればわかるのですが、当時の格付会社は投資銀行発行の高リスクサブプライム証券に平気でトリプルAの格付をしているんですよね。
なんでかって?
それはただ、お得意さんである投資銀行の商品に忖度しただけ。
商品開発側にしても、格付け側にしても、大手だから安心なんてことはありませんよ。エグイ業界ですね。
※一応、デンマーク地方金融公庫への格付は信用しても大丈夫だとは思いますが…
ということで、投資判断の際には次のことを肝に銘じておく必要があると思っています。
「投資対象のことを調べるのは自分。投資判断をするのも自分。他人の評価で投資をすることは失敗時の免罪符にならない。」
続きます。