た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

マネーリテラシーの話④/株式投資の標準的な利回りとは

こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。

前回、バフェットの投資利回りが年20%であること、そして年20%の複利運用が長期でとてつもない利益を生み出し、普通は実現することが難しいことを書きました。

investsnowball.hatenablog.com

 

今回は、「じゃあ普通に株式投資するとどれくらいの利回りになるの?」という点について書いていきます。

 

標準的な市場平均株価の利回りは年率6~7%

ここでは、日経平均など市場平均株価指数(インデックス)に投資することを考えます。この場合、期待できる利回りは、平均で年6~7%ほどとなります。

株式市場には長い歴史があり、過去のデータは書籍やネットで調べることができます。で、株式市場の過去の利回りの実績は、平均すると大体年6~7%くらいになっているんですね。もちろん、国によっても多少の差があります。

当然ながら、相場の好調期も低迷期も含んでの平均でこれくらいです。ですので、年ごとのリターンの振れ幅がかなり大きいことをまず知っておいてください。プラス30%の年もあればマイナス20%の年もありえます。

 

市場が好調の期間に限定すれば、数年間単位での平均リターンが年率10%を超えるときもあります。2010年代のアメリカ株などが典型的な好成績の事例になります。

 

投資を始めるタイミングについていえば、当然ながら株価が安いときのリターンは大きく、株価が高いときのリターンは小さくなります。相場の過熱時に投資を始めると、年6~7%のリターンを得るのは難しくなります。日経平均で考えても、1989年のバブル時最高値の約39,000円は、30年以上たったいまでも更新できていませんよね。

インデックス投資の理論的拠り所である「効率的市場仮説」では、市場のタイミングを測って投資することは無意味とされています。しかし、市場のバブルなど、「普通に考えればおかしいレベルまで株価が跳ね上がること」はあります。そういうときは投資を控えるべきでしょう。

 

年間6~7%の利回りって高いの?低いの?

おそらく、株式投資の利回りで年6~7%という数字は、皆さんが「株」でイメージしているリターンより低いのではないかなと思います。株には元本を割れて下落するリスクもあります。それを考慮すると1年で20%くらいのリターンがほしいという気持ちにもなるでしょう。

しかし、この年6~7%くらいの利回りが現実なんです。一応、年7%なら複利運用で10年で約2倍になりますので、資産運用の対象としては優秀です。

現行の銀行預金利率や国債利回りでは、10年運用しても1%も増えませんからね。他に比較する対象としては、宝くじや競艇、カジノなどもありますが、基本的に期待値がマイナスです。ですので資産運用という意味では株式投資に軍配が上がるでしょう。

一方で不動産はどうなのかといいますと、経費や税金などを考慮すると、手取りで年3~4%の利回りと言われます。レバレッジを利かすのが通常であるため、実際のリターンはもっと大きくなると予想できます。不動産はどちらかというと、自分で不動産事業を経営するイメージです。株のように放っておいてよいわけではありません。また、失敗したときはレバレッジの分だけ資産の棄損も大きくなります。

 

この市場平均株価の利回りの数値は、変動の波はあるでしょうが、今後もおそらく年6~7%くらいの水準に収まる可能性が高いことかと思います。

これは、「企業収益と株価との関係」「投資家たちの期待する利回りの水準」これらの均衡するレンジが、ちょうど利回り6~7%くらいのところに落ち着くことになるからです。

 

どういうことか見ていきましょう。

 

利回りとPERの関係

PERという投資指標があります。株式投資では特に基本中の基本の指標です。個別株の割安度を測るために使うほか、市場平均株価にも適用できます。

このPERとは「株価が1株利益の何倍分の値段になっているか」を表す投資指標です。

ものすごく簡単にいうと、以下のような考え方になります。

①1株当たり利益100円の会社が1株1,000円ならPER10倍

②1株当たり利益100円の会社が1株2,000円ならPER20倍

別の見方をすれば、①の例では、1,000円の株に対して100円の利益を想定しているといえます。言い換えれば、利回り10%を期待しています。

②の例だと、2,000円の株に対して100円の利益を想定しているので、利回り5%です。

 

先進国の市場平均株価ベースでのPERは15~16倍程度くらいのレンジに落ち着くことが多いです。企業収益の15~16年分の株価がついている状態ですね。

※市場平均PERは実際のところ、10倍~30倍くらいには簡単に振れますので、注意してください。経済環境や市場が落ち着いているときの頻出度が高いのがPER15~16倍程度という意味で書いています。また、先進国はやや高めに、新興国は低めに数値が出ます。

これは、通常の市況では「投資家が市場に求める株式利回りの期待値が年6~7%程度」ということの裏返しともいえます。

もちろん、PERの水準は15~16倍を大きく外れることもあります。それから、「成長性」という要素を加味すると、理論株価が大きく上振れすることがあります。成長性の高いハイテク株主体のNASDAQ市場などのPERが高くなりやすいのはこのためです。

あくまでこれは市場平均での数値です。個別株ならば、PER5倍を下回る株もあれば100倍を超える株もあります。

※PERは、それだけで本が1冊できるくらい奥が深いものです。ここではとても簡略化した考え方のみ書いています。

 

まとめ

・市場平均株価の利回りは、過去の実績から年率6~7%程度が期待できる

・この数値は、他の資産(預金や国債)の運用リターンを上回る可能性が高い

・市場平均のPERはおおよそ15~16倍程度に落ち着くことが多い(利回りに置きなおすと6~7%)

 

ちなみに筆者た~とるの複利リターンは年15.5%です。(算術平均で年17%)

同期間の市場平均株価では、日経平均複利リターンで年10%、TOPIXが年7%でした。

やや高めの数値となりましたが、これは投資を始めた時期が相場の低迷期だったからです。株の本来価値より価格が安いときであり、株価の上昇余地が大きいときだったからです。

株は安く買って高く売る、もしくは安く買って保有し続けるのが鉄則です。

投資を始めたり、株を買い増しするのは、相場が冷えているときにしましょう。口で言うは易し、ですが……

 

以上、た~とるでした。