四季報夏号2022年→2023年の比較
こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。
少し前の話になりますが、6月中旬に会社四季報夏号2023年が発売されました。
とりあえずポートフォリオ整理をしたかったので、1週間くらいで一気読みしました。
四季報を通読した際の雑感やデータ整理は、相場の過熱・悲観などの現状分析に役立ちます。
個人的な備忘録として、1年前の2022年四季報夏号と、2023年夏号とのデータ比較を記しておきます。
以下、全て四季報夏号同士での比較です。
2022年夏号 → 2023年夏号
付箋銘柄数
170社 → 63社
前年より6割ほど減りました。大幅減です。
2023年四季報夏号では、割安だと思える銘柄は少なかったです。
平均株価が年初から20%以上上昇していることもあり、市場全体でやや過熱感があったと体感しています。
調査銘柄数
96社 → 63社
まず、紙の四季報にざっと目を通し、割安銘柄に付箋を貼ります。その中でも割安度の高い企業を絞り込み、過去データまで調査対象とした会社数です。
2022年は、付箋を貼った銘柄が170社ほどあり、その後に要件を厳しくして絞り込み、96社を調査対象としました。
2023年は、付箋を貼る時点である程度は厳選しようと思いました。
そのため、自分比でかなり少なめ付箋数になり、そのまま全付箋銘柄を調査銘柄としました。数字や直感ともに割安と思える銘柄が少なく、調査時間ももったいないと判断し、付箋を貼る数を減らしています。
以下、過去データまで調べた63社分の平均値のデータとして記載しています。
CAPEレシオ(自己アレンジ版)
9.0 → 9.1
前年とほぼ同じです。
僕が理論株価を算出するときのベースは過去平均の収益力です。この点では前年と今年で、抽出銘柄同士での差は大きくありませんでした。
※「現在の株価に対する過去10年平均EPSから見た倍率」として算出しています。厳密なCAPEレシオの意味合いとは異なっています。あくまで自己流のアレンジです
3.8% → 4.0%
市場全体での割安銘柄は前年の方が多いと感じましたが、抽出銘柄同士ではそれほど違いがありませんでした。もともと割安企業で絞っているということも原因でしょうし、東証のPBR1倍割れ銘柄への改善圧力が配当利回り向上に影響しているかもしれません。
EV/EBITDA倍率
2.2 → 2.5
前値度より少し上昇といったところ。
※パンローリングの投資本の中で、EV/EBITDA倍率が最も有効としている書籍があり、一定の納得性がありましたので、この指標も参考にしています。
数値的には、2倍程度なら超割安のはずなんですが、株価に反映されるにはカタリストが必要かなと思っています。
PER×PBR(ミックス係数)
5.41 → 5.16
微減です。特に意識してこの数値が低い銘柄だけに付箋を貼っているわけではありません。
※ミックス係数は、バフェットの師匠ベンジャミン・グレアムが提唱した指標です。グレアムはこの指標が22.5倍を超えた銘柄は割安ではないとして警告しています。
株価上昇余力
42% → 39%
こちらも微減です。
※自己流で試算した「収益価値+資産価値」での理論株価への上昇余力。
景気循環や輸入コスト、商品価格などのマクロ的要因で収益が大きく変わる可能性もあり、その場合は理論株価にも大きな影響があります。
市場の変動は避けられないため、理論株価より大幅に安く安全域の大きい銘柄への投資を心がけたいです。
雑感
まず、株式市場全体の過熱感は前年より増してきていると感じました。
付箋を貼りたい銘柄は明らかに前年より減りました。
そもそも、年初から平均株価が20%以上上昇しています。このような上昇一辺倒の相場はそう多くはありません。
僕の銘柄選定基準だと、四季報から抽出した結果として低い数値が出るのは「EV/EBITDA倍率」なのですが、この指数は前年より微増です。ほぼ誤差の範囲ですが、体感的には投資したい銘柄は前年より確実に減っています。
キャッシュリッチ・好財務・そこそこの収益力、この3点を満たした上で株価上昇余力の大きい銘柄は前年より減りました。
さて、インフレインフレと言われて久しいですが、個人的には不動産価格高騰と金利動向が目下最大の注目事項です。
この不動産界隈に投下された大量のマネーが減退したり引き上げられたりすることがあれば、株式市場にも確実に影響がありますので。
いろいろと思うこともあるので、別に書きたいと思っています。
以上、た~とるでした。