マネーリテラシーの話③/世界最強投資家の投資リターンを知る
こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。
マネーリテラシーに関して知っておきたいのが投資利回りの水準です。
株式投資で、半年で株価が倍とか、1年で3倍とか、それを継続して達成できたら一気に資産家になれますよね!
しかし、これが可能なのは一部の天才や幸運の持ち主だけ。かなり困難な数字なんです。
実際のところ、年率20%もあれば、不世出の天才投資家レベルです。
今回お伝えしたいのは、以下の点です。
・世界最強の投資家の投資利回り
・継続することの難しさ
資産運用は長期戦です。無理せずに長く取り組みましょう。
世界最強の投資家の利回りは20%
皆さんは投資の神様ウォーレン・バフェットをご存知でしょうか?
2022年現在、個人で10兆円を超える純資産をもち、世界でもトップ10に入る超大富豪です。過去には世界一の資産家になったこともあります。現在は、世界最大規模の投資会社バークシャー・ハサウェイを率い、彼の発言には世界中の投資家が耳を傾けます。
バフェットの資産は、株式を中心とした投資運用を70年くらい継続して得られたものです。相続で得た大金を元本に投資をしたとか、持ち株が短期間で100倍になったとか、そういう人ではないんですね。
そんな世界最高の投資家バフェットですが、投資の年間利回りはどれくらいだと思いますか??
「10兆円にも資産を増やしているのなら、毎年2倍くらいなのかな?」
「よくわからない、見当がつかない。」
いろいろな感想があると思いますが、実は年率で約20%です。
これは有名な数字なので、すでにご存じの方も多いと思います。初見の方には意外に低い数値に見えたんではないでしょうか。
複利運用のことで、これほど示唆に富んだ事例は、なかなか見つかりません。
ポイントは以下の2点に要約できます。
①一見簡単そうな年20%のリターンを継続すると兆単位の資産が築けること
②逆の見方をすると、世界のほぼ全ての人は、長期で年20%の投資リターンを得られないこと
表裏一体ですが、この2点はマネーリテラシーを考える上で非常に大切です。
年20%というのは、継続できるなら世界最高水準の投資リターンです。
また、これは「バフェットはリスクを大きく取ったからたまたまリターンが大きかったのだろう」という話でもありません。金融の教科書ではリスクとは価格の変動の大きさのことを指し、リスクとリターンはトレードオフとされています。
一方で、バフェットのリスクの概念は、金融の教科書とは全く違います。
これはマネーリテラシーを考えるときにとても大事で、皆さんにも知ってもらいたいので、また別記事にて書きたいと思います。
年20%のリターンを継続できるとどうなるのか
22歳で社会人になり、毎年100万円を年度末に追加入金しながら年率20%(複利)で運用するとします。この場合、60歳の定年時で資産約60億円に到達し、以降、毎年の100万円追加入金無しとしても、90歳前に資産が1兆円に到達します。ウソみたいに見えますが、複利で計算するとこうなります。
資産運用では、数年くらいは年20%ペースで継続して資産が増えることはあります。しかしそのリターンを数十年継続するのは至難の業です。それが簡単ならみんながバフェット級の資産家になれますからね。
年20%のリターンが当たり前と思ってはいけない
本来、長期での20%のリターンは超がつくほど難しいはずです。ところがここ数年、米国のハイテク企業の株価上昇を背景に、米国株のインデックス投資でも年20%程度のリターンが当たり前のような見方があります。繰り返しますが、年20%のリターンを継続するのはかなり困難です。株価が上昇しても、企業の利益が比例して上昇していかないと株価の上昇は止まります。
というか収益の伸びが止まったと見なされれば、株価急落の危険も十分あります。この辺りは、人の意見に頼らず、是非とも自分で考えてみることが大事だと思います。
ちなみに、2022年5月現在で約12,000をつけているNASDAQ総合指数ですが、これが年率20%のまま上昇し続けるとします。この場合、2050年には指数は2,000,000に到達します。
NASDAQ総合指数2,000,000というのは、NASDAQ市場の時価総額でいうと、3,000兆ドル(日本円で約38京円)を超えます。ざっくりですけど。
(単純に2022年のNASDAQ市場の時価総額を20%複利で2050年まで乗じていっただけですので、計算が誤っていたらすいません)
現実味が無いですが、複利で20%とはこういうことなんです。長期だと爆発的なリターンなんですよ。2050年なんていうのは、若い人なら積立投資の期間内に入ってるんじゃないでしょうか。
NASDAQの株価上昇はどこまで保つのでしょうかね……
皆さんのご自身での判断にお任せします。
では、年20%のリターンが難しいなら、標準的な株式投資のリターンはどれくらいを見込めばよいでしょうか?続きは別記事で書きます。
以上、た~とるでした。