た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

マネーリテラシーの話②/合理的に考えること(続き)

こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。

前回は、合理的に考えることの大切さを書きました。そして、株の売買は日用品と違って合理的判断が難しいことも述べました。

 

investsnowball.hatenablog.com

 

今回は合理的に考えることの続きとして、モノの値付けや会社の値段のことを書いていきます。

 

 

値付けと価値

資本主義の世の中では、モノに値段が付きます。

分かりやすいのはスーパーで売られている食品や日用品です。イメージしづらいものには金融商品やアート作品などがあるでしょうか。同じく分かりにくいものに「会社の値段」があると思います。

例えば、大根が1本150円ならそこそこの適正な値段だと分かりますよね。もし1本1万円と書かれていたら、まずは書き間違いと判断します。50円なら安売りのお買い得品です。これは大根1本の適性価格がなんとなく分かっているからです。値付けに慣れているからです。

 

では、アート作品の価値はイメージできますか?

高額のアート作品が売買されるニュースを見たことはあると思いますが、

「この落書きみたいな絵が1億円もするの?10万円でも買わないよ!」

こんな会話をしたことのある方もいるのでは?

これは、アート作品の価値と価格の関係性が分からないから生じる会話ですよね。値付けの基準や判断の仕方が分からないので、このような感想になるわけですね。

もしかしたら、価値の分かる人には1億円でもお買い得なのかもしれませんよ。

(僕は門外漢なので、アートの値付けはさっぱり分かりません……)

 

値札や流行で判断してはいけない

また例え話になりますが、お花の「球根」1個に100万円の値札がついていたとしましょう。現在では明らかに法外な価格ですよね。いないとは思いますが、これに対して、以下のような考えをしている人は危険です。

・「値札に100万円と書いてあるから、100万円に決まっている

・「なんか流行ってるし皆が100万円で買うんだから、100万円に決まっている

・「別の人が200万円で買い取ってくれるらしいよ」

値札や流行だけで判断して、自分で考えないと、こうなる可能性も0ではありません。

 

話が飛躍しすぎだろうと思われるかもしれませんが、これは実際にあった話です。

この「球根」を「チューリップ」に置き換えてください。知っている方も多いかもしれませんが、17世紀に発生し人類史上最初のバブルと言われた「チューリップバブル」では、チューリップの球根の値段が家1軒レベルまで跳ね上がったとされています。

合理性もへったくれもありません。人間ってたまにおかしくなりますね。

 

会社の価値計算の発想

株式もある程度は適正な価値があります。

たまにですが、バブルも暴落もあります。適正価値を大きく乖離することもあるんです。

ある会社の株が、市場で時価総額1兆円だったとします。しかし、本当に1兆円の価値があるかは自分で計算して判断しましょう。

「現在市場で1兆円の価値が付いているんだから、1兆円に決まっている

このような判断は危険です。決まっているのならバブルも暴落も発生しません。

自分で納得できるかどうかが大事。なんなら他人に対して「なぜこの会社が1兆円の価値があるのか」説明できるくらいでないといけません。

・本当は5,000億円の価値しかないんじゃないか?

・いや、もしかしたら2兆円の価値があるんじゃないか?

そこを計算して判断するのが投資家の仕事です。ここが分かれば、自分なりの判断ではありますが、株を安く買うための思考が養われてきます。「株式」は会社の部分保有権です。会社の値段を発行株式の総数で割れば1株の値段となります。「会社の価値が分かる=1株の価値が分かる」です。

 

まずは自分でやってみる

会社価値の算出そのものであれば、例えば「DCF法」や「マルチプル法」などがあります。割安度の判断なら「PER」や「PBR」が使えます。

財務の健全度やキャッシュフローも見なければいけません。ズタボロの会社ですが業績が回復したことを想定すると激安な会社もあったりします。

会社価値そのものとは別ですが、市場全体の過熱感も気になりますよね。

 

実際のところ、通常は複合技でいろんな指標を組み合わせて計算します。正直どの方法をとっても、人によって結果は異なります。人によってその会社の成長率や収益性、保有資産に対する価値の基準が違いますからね。

 

一応、数理的にはDCF法を使えば正解にたどり着きます。しかし、前提条件や変数の設定次第で結果がめちゃくちゃブレるので、妄信は禁物です。意味的には「EPS×想定PER×成長性」くらいの考え方で、おおむね似たような結果になりますし。また、資産価値のみで会社価値を計算する方もいます。

 

どうやっても私見が入りますので、人によって計算結果はブレます。厳密な計算結果ばかり気にせず、まずは自分で考えることが重要です。慣れてくれば投資家としてのスキルアップになります。価格と価値の関係を知れば、投資で得られる利回りの水準も分かってきます。そうなれば、株以外に不動産などでも応用は効きますし、得体の知れない投資商品や法外な価格の流行りものなどに引っかかることも無くなります。

計算が多少はずれるのは想定のうちです。そのために適度な分散と安全域の概念を持って、ポートフォリオを組みましょう。

 

まとめ

・現在では、日用品でもアートでも株式でも値段が付きます。

・価値が分からないと、適正な価格か判断ができません。

・適正な価格か判断できないと、価値と外れたお金をかけてしまう可能性があります。

 

危険なのは、自分で考えないこと。そして、よく分からないままに投資をしてしまうことです。投資は自己責任です。まずは自分で考える癖を身に付けていきましょう。

 

以上、た~とるでした。