筆者の損切に対する考え方②
こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。
前回、損切に関することを書きました。
今回は、思考整理のために、自分の損切観の続きを書いていきます。
株価の下落はたくさん経験したが損切はしなかった
僕は損切しない派で、特に〇%下がったら自動的に売るというような「機械的損切」は全くしません。
では、買った株が全て右肩上がりだったかというと、当然そんなことはありません。保有株が買値から-10%程度になることはザラですし、今も保有株で一番下がっている株は-35%くらいです。
2020年3月のコロナ暴落のときは、含み損が年収数年分になりました。損失がー50%を超えた銘柄もあります。
ですが、損切はしませんでしたし、含み損があっても不安はありませんでした。
何故含み損があっても不安がなかったかというと、株価が自分で計算した会社の価値を下回っていたからです。
保有株の下落は確かに痛いです。しかしそれは利益確定までの期間が長くかかってしまうという「機会損失」に対する痛さです。
「会社の価値>市場での値段」が成り立つ限り、保有銘柄を売って損を切り捨てることは考えませんでした。
価格と価値と損切と
時として、株式市場は次のように表されることがあります。
美人投票とは、自分が一番美人だと思う人を選ぶことではなく、そのゲームに参加する人達が一番美人だと考える人を予測するゲームです。
ここでは、他人の目線や空気を読んで投資行動をすることを指します。
一方、僕の投資哲学であるバリュー投資では、以下のような表現が使われることがあります。
「株式投資とは短期では美人投票で、長期では天秤のようなものだ」
表現が一言一句同じかは分かりませんが、趣旨は外れていないと思います。
この表現は、短期での株価は会社の価値に基づかず美人投票のような原理で価格形成がなされるものの、長期的には「価格と価値」が釣り合ってくることを意味します。
会社の価値は、長期的には徐々に株価に反映されます。
もちろん、市場で評価されることなので、適正価値をずっと下回る可能性も否定できません。そのため、適正株価になるまで待つ機会損失が発生しますし、そもそも計算通りの株価まで上がらないことも多いです。
それでも、「会社の価値」より安く株を買っていて、機会損失も耐えられるのであれば、株価が下がったという理由だけで損切をする必要はないと僕は考えます。
下がった株のパーセントの数値を重視するのではなく、会社の価値と価格を天秤にかけて投資判断することが大切だと思います。
そもそも、分散投資を行うと、どうしても上がる株と下がる株が出てきます。買った銘柄が全て一直線に上がることはありません。
たまたま10%上がった株は保有し続けて、たまたま10%下がった銘柄は損切する。そのような行動は自分の投資哲学に合致しないので、僕は今後も損切をしないでしょう。
一方、ファンダメンタル派でも、自分流の合理的な理由から損切を行って実績を残す投資家もたくさんいます。投資に対する考え方によって、例えば損切のような行動も合う・合わないということがあります。その見極めをしていくのも投資家としてのステップアップにつながることかと思っています。
以上、た~とるでした。