株で大損をするのはどんなパターンか?①/レバレッジ
こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。
前回は、株がギャンブルでないことを書きました。
しかし、残念ながら株で再起不能なほど資産の損失を被ることがあります。
例を絞ると、以下の3パターンが当てはまるでしょう。
・大きなレバレッジをかける
・割高な株への投資
・相場の過熱時に株を買う
これらは投資資産の大半を失う危険を秘めています。「株」=「ギャンブル」というのはこうした失敗例ほど話が広まりやすいことが原因と考えられます。恐怖心を煽られると回避したくなるのが人間の本能ですからね。
会社自体は利益を出していても、株価自体の下落余地が大きく、利益ではペイできないレベルの株価下落を被ることがあります。こういうものは「投資」ではなく「投機」になってしまいます。
今回からは、株で大損するパターンを解説します。
まずは、大きなレバレッジをかけることのリスクについて書いていきます。
レバレッジとは何か
レバレッジとは、「てこ」を意味します。投資用語としては、銀行や証券会社からの借入を利用して、自己資金以上の額を投資に用いることを指します。株以外にも、不動産などでは一般的な投資手法となっています。
株式投資の場合での話をします。例えば、株式投資用に1,000万円を証券会社に入金している人であれば、信用口座を開いていれば2,000万円ほどの借り入れが可能です。信用取引ってやつです。そしてネット証券なら、クリック1つ信用取引での株の売買が可能です。気軽にできてしまうんですね。
レバレッジは、単純に借入の分だけリターンも損失も大きくなります。以下のようにリスクを把握できている人であれば、相場の低迷時に少額のレバレッジをかけるのも決して悪いことではありません。
・慎重に資金管理ができる人
・投資対象の価値を調べつくしていると自信を持って言える人
・きっちり銘柄分散ができている人
実は、かのウォーレン・バフェットも、自己資金の20%~30%程度分のレバレッジにはそこまで否定的ではありません。そもそも、投資会社バークシャーハサウェイの傘下にある保険事業のフロート(保険の支払いが確定するまでの滞留資金)を株式に投資しています。この投資戦略は、ポートフォリオにレバレッジをかけているのとそこまで意味的には違いがありません。
大きなレバレッジをかけたときの危険性
大きなリターンを上げられる可能性を持つレバレッジを使った取引ですが、当然、損失も大きくなりますので、危険があります。
どういう会社に投資しているのかいまいち理解していない人は、限界までレバレッジをかけるのはとても危険です。
特にネット証券では、簡単に信用取引ができ、レバレッジをかけることができてしまいます。
例えば、1,000万円の資金のある人が、約2,000万円をクリック一つで信用取引できてしまいます。これで、3,000万円分投資しているのと同じ状態になるわけです。
その状態では、株が34%値下がりすると、3,000万円×マイナス34%=マイナス1,000万超ですから、すべての自己資産を超える損失が発生します。株式市場では、市場平均株価ですら20%程度の上げ下げは年に1回は発生すると考えておいた方がいいです。個別株の場合さらに変動幅が大きい可能性がありますので、このくらいの値下がりは十分に想定範囲内となってきます。
実際には「追証」が発生し、追加資金を証券口座へ入金しないと強制決済となります。追証発生後、1~2営業日もあれば信用取引の分は強制決済されます。ですので、数十パーセントの資金減でなんとか済みます。といっても、挽回するのはかなり苦しい損失となってしましますが。
最も危険なのは、追証発生から強制決済まで数日猶予があり、更なる下落に巻き込まれることです。ありがちなパターンとしては、割高の流行り銘柄に乗っかってしまったときです。こういう株は、一旦株価の下落が始まると、数日連続でストップ安になることがあります。売却のタイミングが無いまま、一気に暴落する可能性があります。このときに、その銘柄だけに信用取引で集中していると、自己資金の全てが損失で消滅する上、証券会社からの借り入れ分が借金として残ります。
例としては、2019年に発生したサンバイオ株の急落では、1億を超える追証が発生した人もいるようです。普通の人に払える額ではありませんね。
極端な例かもしれませんが、株で資産を失う人がいるのも事実です。株式投資では年利10%も儲けられたら実際は十分なんです。あまりリスクを追いかけ過ぎないように気を付けましょう。
まとめ
・信用取引に失敗すると、挽回不可能な資産の損失を被ることがある
・信用取引を行う場合は、銘柄分散を行ってポートフォリオを組み、資金管理も慎重にしましょう。
信用取引で瞬く間に大金持ちになる投資家も一部にはいらっしゃいます。その裏で失敗した人が山ほどいるのも事実。信用取引を行うときは慎重に考えてから行動に移しましょう。また、利食いをしない限り、信用取引での利益は幻のままです。儲かったら信用取引の銘柄は売却し、早々にレバレッジを解消するのが安全です。
以上、た~とるでした。