た~とるの投資ライフ

「配当>生活費」達成済 / 株式投資・資産運用の思考整理と備忘録

四季報通読から銘柄選択までの手順⑤/配当利回りについて

こんにちは、サラリーマン投資家のた~とるです。

四季報通読時の、僕の場合の注目点を書いていきます。

今回は「配当」についてです。

配当金は投資家にとって確実に利益を得る手段

僕は銘柄選択のときに配当利回りの高さに注目しています。

持論ですが、配当利回りは高い方がいいと思っています。

 

これには理由があります。僕は「利益や資産から見て超割安、でも低配当」という株を長期保有していたことがあります。10年くらい持っていました。これで結構痛い目を見ました。

 

この株、株価自体は大きく上がりませんでした。10年で50~60%の上昇だったと記憶しています。配当利回りは2%あるかどうかの水準でした。一応、配当込みで、10年で70~80%くらいのリターンにはなりました。

しかし、その間で日経平均は200%くらい上がりました。相対的に見て大負けです。

もし、この株の配当利回りが5%あれば、トータルのリターンは30%は押し上げられます。その分は確実にキャッシュが得られます。そのキャッシュを別の株に投資することもできたはずです。

 

配当金は、投資家にとっては確実にリターンを得る機会となります。無配当や低配当利回りの場合、株価が上昇しそれを売却しないと投資家はリターンを受け取れません。

もちろん、無配や低配当の場合は、利益は企業に内部留保されますので、それが株価の上昇につながれば何も問題ありません。税負担を考えれば、投資家は配当を受け取るより、無配で企業価値の上昇を狙う方がいいはずです。

 

ところが、とても厄介なことなんですが、「配当が少ないけど肝心の株価は上がって下がっての繰り返し」という株がたくさんあります。これを事前に見抜くのは難しいです。

 

こういった株はBPS「1株当たり純資産」だけ増えつづけ(結果PBRが下がりつづけ、慢性的にPBRが低い)、株価も上がらず配当も出さず、投資家に何のリターンももたらさないことがあります。

1銘柄について10年分くらいの業績を経年比較すると、こういう株がよく見つかります。BPSは10年で2倍~3倍に増加してるけど、株価はBPSの伸びほどには上がっていない。配当利回りも低い。じゃあそのマネーはどこに行ったかというと、単に内部留保されただけ。そういうことが多々あります。

 

それならば、配当金から確実にキャッシュを受け取る方が投資家にとっていいことだと思えます。少なくとも僕は身をもってそのことを体験しました。ですので、バリュエーションが同じような株で選択肢がいくつかある場合は、高配当の方を選好します。

 

極端な話、PER5倍で無配の株と、同じくPER5倍で配当性向90%の株があったら皆さんどちらを選びますか?

僕はこの問いであれば後者を選びます。この後者の株の配当利回りは年18%です。複利なら4年で元が取れます。(税を考慮すると少しリターンは落ちますが。)

前者は、企業価値の上昇と株価の上昇が比例していくのかは、正直どうなるかわかりません。

 

 

一方、高配当株利回りの銘柄を避けるべき、というような言説もあります。

これは「利益が下がると利益からでは配当原資が足りない、配当を下げざるを得ない、高配当を期待した投資家が手を引いて株価が大きく下がる、だから株式投資の対象として劣っている」という見方です。

しかし利益が下がると株価が下がるのは無配の株でも同じです。むしろ、無配で株価下がる方がダメージは大きいと思います。その間、投資家はキャッシュでのリターンを得られませんからね。配当が無い場合、高くなった株を売り抜けない限り、株主は何のリターンも得られません。

 

留保利益を再投資に回して企業価値を確実に上げていってくれるなら、無配の方が優れています。投資家にとって、配当金は受け取る都度、税金がかかりますからね。ただし、一部の成長株を除けば、無配で企業価値を高め続けられる企業はそれほど多くはありません。

 

無配企業で世界的に有名なのはアメリカのバークシャーハサウェイ社でしょうか。

バークシャーは無配ですが、株価はBPSに沿って右肩上がりです。特別にBPSからかけ離れて安くなったり高くなったりしにくいです。

これは、経営者のバフェットが無配を貫くことのメリットを常に市場や株主に投げかけていて、それを市場も理解しているからです。バフェット自身、バークシャーの株価がBPSから大きくかけ離れることを望んでいないという趣旨の発言をしています。

これは資本政策が明確な世界トップクラスの経営者・投資家だからこそできる芸当です。普通の経営者にできることではありません。

 

無配のほうが税制上のメリットが大きいのは確実なんですが、これは企業の資本政策や株主還元の姿勢と密接に絡んでくるところです。個人レベルの投資家では経営者に資本政策をどうこう言うことは困難でしょう。

それならば、確実に現金を得られる高配当の株に投資した方が、確実にリターンが得られるのではないでしょうか。

 

以上、た~とるでした。